『良い戦略、悪い戦略』を自社の事業方針づくりに使ってみた|経営者の実践レビュー

ビジネス書レビュー

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「うちの戦略は何かと聞かれて、うまく答えられない」——経営者なら一度は感じる引っかかりだと思います。今回は実験枠「使ってみたラボ」として、リチャード・ルメルトの『良い戦略、悪い戦略』を、自社の事業方針づくりに実際に当てはめながら読み返してみました。スローガンや目標の羅列を戦略だと思い込んでいた自分に、いくつも刺さる本でした。経営者の一人称で、使ってみた手応えをお話しします。

「良い戦略」と「悪い戦略」を分けるもの

この本の核心は、戦略とは「困難な課題に立ち向かうための、筋の通った行動方針」だという考え方です。著者は、目標を並べただけ・前向きな言葉を盛っただけのものを「悪い戦略」と切って捨てます。読み返して耳が痛かったのは、自社の方針が「売上を伸ばす」「顧客満足を高める」といった願望の列挙になっていた点でした。願望と戦略は別物だ、とはっきり言ってくれる本です。

📘 使ってみた結論 良い戦略は「診断・基本方針・行動」の3つがそろっている。自社の課題を正しく見立て、どこに力を集中するかを決め、具体的な行動に落とす。この型に当てはめるだけで、ぼんやりした方針が「やること・やらないこと」に変わりました。

使ってみた1|まず「診断」で課題を一つに絞る

本書がいう良い戦略の出発点は「診断」、つまり今ぶつかっている本当の問題は何かを見立てることです。自社で試したところ、最初は課題が10個くらい出てきました。それを「結局いちばんの足かせは何か」と問い直すと、一つに絞れてきます。あれもこれもと手を広げる前に、立ち向かうべき課題を一つ言い切る。この作業だけで、会議の議論がぶれにくくなりました。

使ってみた2|「やらないこと」を決めて力を集中する

次の「基本方針」は、その課題に対してどこで勝負するかを決めることです。ここで効いたのが、力を集中するために「やらないこと」を先に決める考え方でした。経営資源が限られる中小企業ほど、全方位に手を出すと薄まってしまいます。本書の言う通り、一点に資源を集めると決めたことで、迷っていた新規の取り組みをいくつか「今はやらない」と整理できました。捨てる判断こそ経営者の仕事だと再確認しました。

使ってみた3|方針を「具体的な行動」に落とす

最後の「行動」は、基本方針を実際の打ち手に変える段階です。立派な方針も、誰が何をいつやるかが決まっていなければ絵に描いた餅になります。自社では、絞った課題に対して今四半期にやる行動を3つだけ書き出しました。多くを並べず、つながりのある一貫した行動に絞ること。これで「戦略を立てたのに動かない」という状態から抜け出せました。

どんな経営者におすすめか

自社の戦略を言葉にできずもやもやしている人、目標は立てるのに実行で止まってしまう人に特におすすめの一冊です。難しい理論書ではなく、豊富な事例で「良い戦略の型」を体に入れられます。読みながら自社に当てはめると、その日のうちに方針が一段はっきりします。

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まとめ

『良い戦略、悪い戦略』は、目標の羅列や前向きな言葉を戦略と取り違えていないかを突きつけてくれる本でした。良い戦略は「診断・基本方針・行動」の3点セット。課題を一つに絞り、やらないことを決めて力を集中し、具体的な行動に落とす。この型で自社の方針を見直すと、ぼんやりした計画が動く戦略に変わります。事業の方向に迷いがある経営者は、手元に置いて何度も読み返す価値があります。

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