30代で年収を上げる三つの道|転職・社内異動・副業を、採用する側から比べてみた【2026年版】

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「年収を上げたいので転職を考えています」。この一年で、社内から二度、社外の知人から三度、同じ相談を受けました。そのたびに私が最初に返しているのは、転職の話ではありません。いま何で評価されているのかを、本人がどれだけ言葉にできているかを聞きます。

この記事では、30代の会社員が年収を上げるときに実際に選べる三つの道を、採用する側の目線で並べて比べます。結論から言うと、どれが正解かは能力ではなく「時間の使い方」で決まります。

結論:三つの道は、必要な時間の長さがまるで違う

選べる道は、転職・社内での異動・副業の三つです。順に並べると、転職はいちばん速く、社内異動はいちばん確実で、副業はいちばん自由という性格になります。

年収の上がり幅だけを見れば転職が大きくなりやすいのですが、その代わりに評価がいったんゼロに戻ります。社内異動は上がり幅が小さいかわりに、これまでの信用がそのまま持ち越せます。副業は上限がない反面、時間を自分で作らないと一円にもなりません。三つは優劣ではなく、いま自分に何が足りていないかで選ぶものです。

道1:転職|上がり幅は最大、ただし評価は積み直しになる

採用する側から見ると、中途の年収は「これまでいくらもらっていたか」ではなく「入社後にいくら出せる仕事をするか」で決まります。前職の年収は交渉の出発点にはなりますが、根拠にはなりません。ここを取り違えたまま面接に来る方が、実際にとても多い。

逆に、上がり幅が出やすいのは「いまの会社では余っている能力が、行き先では足りていない」というズレがある場合です。同じ仕事でも、市場のどこに置くかで値段が変わります。ズレを探す作業は、求人を眺めているだけでは見つかりません。

向いている人

いまの職場で任される範囲が頭打ちになっていて、かつその頭打ちが実力ではなく席の数で決まっていると感じている方。この場合は、待っても状況が変わりません。

道2:社内異動|上がり幅は小さいが、信用を持ち越せる

もっとも見落とされているのがこの道です。社内で部署を移ると、実績と人間関係をそのまま持ったまま、仕事の種類だけを変えられます。転職では必ず失う「あの人なら任せられる」という評価が、そのまま残る。これは金額に換算しにくいのに、実務ではとても大きい差になります。

私の会社でも、外から採るより社内から移ってもらったほうが、立ち上がりが三か月ほど早いという実感があります。経営の側から見ると、社内異動の希望は歓迎される話です。言い出しにくいと思われがちですが、実際には黙って辞められるほうがずっと困ります。

切り出し方

「異動したい」ではなく「この仕事を引き受けたい」と、対象を名指しで言うと話が進みます。人事の側は席を動かす理由を探しているので、埋めたい穴と結びついた瞬間に現実味が出ます。

道3:副業|上限はないが、時間を先に作る必要がある

副業は、収入の上積みを狙う道というより「自分の値段を自分で決める練習」だと考えたほうが実態に合います。会社の看板を外したときに、誰がいくら払ってくれるのか。それが分かると、本業の交渉も落ち着いてできるようになります。

ただし、時間は自動的には空きません。先に週の予定表に枠を置いてから仕事を探す順番にしないと、忙しさに押し切られて三か月で消えます。就業規則の確認も先に済ませてください。

自社での実録:辞めると言われてから気づいたこと

数年前、ある社員から退職の相談を受けました。理由を聞くと、やりたい仕事が社内にあるのに、そこへ行く道が見えなかったからだと言われました。席は空いていました。空いていることを、私が誰にも伝えていなかっただけです。

そのときから、四半期に一度、いまどんな仕事を増やしたいかを全員に共有するようにしました。年収の話は、たいてい情報の話です。本人が知らないだけの選択肢が、社内にも社外にも残っていることが本当に多い。

どの道でも、先にやることは同じ

三つのどれを選ぶにしても、最初の作業は変わりません。直近一年で自分が動かした数字を、三行で書けるようにしておくことです。売上でも、工数でも、離職率でもかまいません。数字がない仕事なら、着手前と着手後の変化を言葉で書きます。

これができていない状態で求人を見に行くと、条件だけを比べることになり、結局いまの会社と同じ悩みを持ち越します。逆にこれさえ書けていれば、面接でも異動の相談でも、話の入口は同じになります。

相談先をどう使うか

転職を選択肢に入れるなら、求人を自分で眺める前に、いまの市場での自分の位置を人から聞くほうが早い。とくにコンサルのように選考の作法が独特な領域は、対策の有無で結果がはっきり変わります。相談だけして転職しない、という使い方でも構いません。

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相談の場では、求人の一覧よりも「いまの経験がどの職種でいくらに値付けされるか」を先に聞くと、三つの道のどれを選ぶかの判断材料になります。

まとめ

年収を上げる道は三つあり、速いのは転職、確実なのは社内異動、上限がないのは副業です。選ぶ前にやることは共通で、直近一年で動かした数字を書き出すこと。ここが埋まっていない状態でどの道に進んでも、交渉の材料がないまま条件だけを比べることになります。

まずは今週、自分の仕事を数字で三行書いてみてください。それだけで、次に誰に相談すべきかが見えてきます。

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