「AIを仕事に使うと速くなると聞くけれど、何をどう打ち込めばいいのか分からない」——会社員の方から、いちばんよく聞く悩みです。実はAIの出来は、こちらの指示文(プロンプト)の質でほとんど決まります。今回は、私自身が日々の実務でそのまま使い回している、コピーして言葉を差し替えるだけのプロンプトを10個に絞ってご紹介します。メール・要約・議事録といった、毎日発生する地味な作業を時短するためのテンプレートです。
プロンプトは「役割・前提・形式」の3つを書くだけで激変する
良いプロンプトのコツは難しくありません。①どんな役割で答えてほしいか、②どんな前提・材料があるか、③どんな形式で出してほしいか、この3つを書くだけです。たとえば「丁寧に書いて」ではなく「取引先向けのメールとして、結論を先に、200字以内で」と指定すると、出力は一気に実用的になります。以下のテンプレートも、すべてこの3点を踏まえた形にしてあります。【】の部分を自分の状況に置き換えて使ってください。
コミュニケーションを速くする3つのプロンプト
① メール返信の下書き「あなたは丁寧なビジネスパーソンです。次のメールへの返信を、結論を先に、200字以内、ですます調で作ってください。相手は【取引先の担当者】、用件は【日程の再調整をお願いしたい】です。元のメール:【本文を貼り付け】」
② 角の立たない断り文「次の依頼を、相手との関係を損なわないように丁寧に断る文面を3案ください。依頼内容:【内容】。断る理由:【理由】。代替案も一言添えてください。」
③ 英文メールの作成「次の日本語の用件を、海外取引先向けのビジネス英語メールにしてください。フォーマルすぎず、簡潔に。用件:【日本語で箇条書き】。最後に日本語訳もつけてください。」
情報を整理する4つのプロンプト
④ 長文の要約「次の文章を、結論・根拠・次のアクションの3点に分けて、それぞれ1〜2行で要約してください。文章:【貼り付け】」
⑤ 議事録の整形「次の会議メモを、議事録の形に整えてください。見出しは『決定事項』『宿題(担当者つき)』『次回までの確認事項』の3つ。口語は書き言葉に直してください。メモ:【貼り付け】」
⑥ 表への変換「次の箇条書きを、比較しやすい表にしてください。列は【項目・メリット・注意点】。文章:【貼り付け】」
⑦ 資料の構成案「【テーマ】について、社内向けの説明資料の構成案を作ってください。スライド5枚想定で、各ページの見出しと、入れるべき要点を箇条書きで。」
思考の壁打ちに使う3つのプロンプト
⑧ 企画のたたき台「【課題】を解決する企画のアイデアを5つ出してください。それぞれ一言の狙いと、想定される懸念点もセットで。」
⑨ 抜け漏れチェック「次の計画について、見落としがちなリスクや確認すべき点を、第三者の視点で指摘してください。計画:【貼り付け】」
⑩ 文章の校正「次の文章を、意味は変えずに、誤字脱字と分かりにくい表現だけ直してください。直した箇所は最後にまとめて教えてください。文章:【貼り付け】」
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使うときに気をつけたい2つのこと
便利な一方で、注意も必要です。ひとつは情報の扱いで、顧客名や未公開の数字など、社外に出せない情報はそのまま入力しないこと。固有名詞を伏せ字に置き換えてから使うのが安全です。もうひとつは、出てきた答えをうのみにしないこと。AIはもっともらしい誤りを混ぜることがあります。私は「下ごしらえはAIに任せ、最終的な中身の正しさと判断は自分でする」と線引きしています。AIは人の仕事を奪う道具ではなく、面倒な作業を肩代わりして、人が本来やるべき判断や対話に時間を割けるようにする道具だと考えています。
こんな人におすすめ
毎日のメール処理や資料づくりに追われている方、AIを触ってはみたものの「うまく指示できない」と感じている方に、まず10個のうち1つを今日の仕事で試してみてほしいです。手応えがあったものから、自分の言葉でアレンジしていけば、半月もすれば自分専用のプロンプト集が手元にたまっていきます。
よくある質問
小さな時短の積み重ねが、月末には大きな余白になります。気になったプロンプトから、ぜひ今日試してみてください。


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